1歳半健診からの親子教室|2ヶ月待ちで半年通って、物足りなさを感じてしまった話

親子教室で積み木を持つ子どもを、こよねが控えめな笑顔で見守るイラスト

1歳半健診の日、心理士さんとの面談にたどり着いて、最後に言われたのがこの言葉でした。

心理士さん

「発達支援の教室が月に1回ありますが、参加されますか?」

その場で申し込んで、通えるようになったのは2ヶ月後でそこから約半年間通いました。

正直に書くと、期待していたものとは違いました。この記事では、その教室がどんな場所で、何をして、私が何を感じたのかを、当時の記録のまま書いています。あわせて、いまの制度についても調べました。

この記事に書いてあること

  • 【当時】1歳半健診で申し込み、2ヶ月待ちで通い始めたこと
  • 1時間半の教室で、実際にやっていた14のプログラム
  • 輪に入れなかった息子の様子を、ひとつずつ
  • 期待しすぎていた私が「物足りない」と感じた理由と、いま思うこと
  • 教室で相談した8つの困りごとと、返ってきた答えをどう受け取ったか
  • 【いま】呼び名は自治体でばらばら。「親子教室」と呼ばれることが多いこと
  • 「半年まで」は国のルールではないこと/2024年から窓口が一本化されつつあること

※体験は当時の記録によるものです。市区町村名・施設名はふせています。制度の話は2026年9月時点で調べたもの。

目次

各自治体で名称や中身が違いますー「◯◯教室」と呼ばれることが多いです

わが家の市でも「◯◯教室」というタイプの名前でしたが、各自治体によって呼び名が違います。調べてみたら、こんな名前が見つかりました。

  • のびのび教室(和歌山県橋本市)——健診後に発達支援が必要とされた子が対象。クラスが2段階に分かれています
  • ひよこ教室(埼玉県熊谷市)
  • こあら教室(静岡県富士宮市)
  • たんぽぽ教室・たんぽぽ親子教室(滋賀県栗東市、千葉県船橋市)

ただ、名前が似ていても、仕組みが違うものがあるようです。たとえば船橋市や栗東市の「たんぽぽ教室」は、入るのに通所受給者証が必要と書かれていました。これは療育(児童発達支援)そのもので、健診のあとにすぐ通える入口の教室とは別の枠組みです。

つまり、同じ「◯◯教室」でも、誰でも申し込める場所なのか、手続きが要る場所なのかは自治体によって違います。申込時に必要な手続きも必ず確認するようにして下さい。

待機期間と会場の様子についてー我が家は2ヶ月待ちでした

健診で申し込んでから、通えるようになるまで2ヶ月かかりました。この2ヶ月が、当時はとても長く感じました。

場所は、集団健診で来たことがある建物でした。部屋には遊具がたくさん置いてあり、来たことがあるとはいえ覚えていないと思われる場所でしたが、すんなり入ることができました。遊具があると入室は割とスムーズなので助かりました。

周りを見渡すと、特に成長に遅れを感じるような子はいないように見えました。少なくとも、しゃべれない子は一人もいませんでした。

教室の流れー1時間半でやっていた14のプログラム

最初に子どもが遊具で遊んでいる間に、簡単なアンケートに答えます。体調のチェック、気になること、相談したいこと。それを書いた上で、保健師さんや心理士さんと話す時間がありました。

それから教室が始まります。全部で1時間半ほどで、だいたいこんな流れでした。

  1. 出席シール貼り
  2. 自由遊び(すべり台、ボールプール、トランポリンなど)
  3. 遊具の片付け
  4. 点呼(名前を呼ばれたら手を上げて返事をし、タンバリンを1回叩く)
  5. 体操(Eテレ「いないいないばぁ」のわーぉ)
  6. 体操(円になって「となりのトトロ」の「さんぽ」の音楽で行進)
  7. サーキット(トンネル・すべり台・トランポリン・スポンジの棒の上を歩く)
  8. 今月の活動(新聞紙遊び、こいのぼり作りなど毎月変わる)
  9. 大きな布をはためかせて、その中を走り回る
  10. マラカス遊び
  11. 絵本
  12. 幸せの音(きれいな音の鳴る棒を、子どもが手で作った受け皿に入れて、飲み込む真似をする)
  13. 終わりの挨拶
  14. シーツブランコで、ママがキャッチしておしまい

教室のねらいー見ていて感じたこと

説明されたわけではありませんが、通ううちに「こういう仕組みがあるんだろうな」と感じたことがありました。

  • 心理士さんや、ときには作業療法士さんが様子を見てくれている
  • アンケートをもとに相談ができる
  • どのプログラムでも、とにかく一つひとつを褒める
  • 最初は遊具で気持ちを引きつけ、活動が始まるときにはすべて片付けて気が散らないようにする
  • いろいろな活動で五感を刺激する

ちゃんと考えられた内容だったと思いますが、当時の私は効果を感じられずに焦るばかりでした。

各プログラムのそたまるの様子

プログラムごとに、息子がどうだったかを当時の記録から書きました。

  • 出席シール——まったく興味なし。毎回、後ろから手を持って貼らせていました
  • 自由遊び——遊具で楽しく遊べていました
  • お片づけ——ボールをかごに入れるのは「遊び」として楽しめましたが、どんどん片付けられていく他の遊具には戸惑っているように見えました
  • 点呼——返事もせず手も上げず。タンバリンは最初は叩きませんでしたが、最後のころには、そっと触るように叩けるようになりました
  • いないいないばぁ——まったく踊らず。私に後ろから手を動かされてされるがままになるか、座り込むか、寝そべるか。
  • 「さんぽ」で行進——嫌がって抱っこになったり、座り込み作戦になったり。列の輪になかなか入れませんでした
  • サーキット——楽しめていましたが、順番を待つのが難しく、自分の番が来るまで必死で止めていました
  • 今月の活動——遊びは単調になりがちでした(新聞紙ならひたすらちぎるだけ)。それでも楽しそうに見えました
  • 大きな布——上を歩くのを非常に嫌がり、私の横で一緒に布をはためかせることをやっていました
  • マラカス——楽しくできましたが、返す(片付ける)時は少し荒れました
  • 絵本——子どもたちが座るためのマットには座らず自由に過ごしていましたが、一応、絵本は見ているようでした
  • 幸せの音——私が手を支えて器を作らせ、口元へ。不思議な音に目をパチパチさせていました
  • 終わりの挨拶——無反応。後ろから一緒に頭を下げさせていました
  • シーツブランコ——楽しそうにできました

大好きだったEテレの「いないいないばぁ」の「わーぉ」も、周りに影響されて踊るようになれることを期待していましたが、全く踊りませんでした。

親たちが口々にかける「すごーい!」「じょうず〜!」という声にも無反応で、少し大げさな様子には、癇癪にはつながらないものの嫌そうに見えました。

教室の間、入口のドアが開くたびに突進して出ていこうとしましたが、距離があり、保健師さんがすぐ閉めてくださったので出ていくことはありませんでした。これは、本当に助かりました。

期待していたものとは違いました

この頃のわたしは専門の方々がいる「発達支援教室」という場の力を借りることで物事が解決することが出来るのではと過度な期待を抱いていたため、実際参加すると「ちょっと参加しやすい子育て支援教室」程度に感じて、物足りなさを感じていました。

みんなの輪の中で、誰よりも活動に参加できていないそたまるを見ながら、不安はますます募りました。

相談してみてー「ふわっとした答え」だと感じた理由

保健師さんには自由遊びの間に毎回いろいろなことを話しました。

  • 発語がないこと
  • 指さしをしないこと
  • 自傷(頭を床に打ち付ける)
  • 物を後ろに投げる
  • 偏食
  • 道へのこだわり
  • コップ飲みができず、決まったマグしか使えないこと
  • エレベーター・エスカレーター・自動ドア・階段への執着(詳しくは外出の記事)

ただ、どんな答えが返ってきたかは、正直あまり覚えていません。気持ちに共感してもらったうえで、ふわっとしたアドバイスをもらっただけ。そう感じて、そのあと何かが変わった実感がなかったからです。

相談しつつもここに通うことで、何が変わるんだろうと焦る気持ちばかりが増えていきました。

振り返って思うことー即効性のある問題解決の場ではない

相談に対するアドバイスなど保健師さんも心理士さんも、ちゃんと答えてくれていなかったわけではないと思います。

当時の私は、専門的な立場の方々からの画期的な解決策を求めていました。アドバイスをもらって実践しても、数回ダメだっただけで諦めていました。

本当は、そんな一発でどうこうなるものなんてなくて、教えてもらったような基本のスタンスで、いろいろな方向から試してみることが必要だった。いまならそう思えます。

振り返ると、教室そのものを解決する場と思い過ぎていたのだと思います。そして、そんな簡単な問題ではなかったということです。

ただ、子どもが楽しそうに遊ぶ瞬間が見れただけでも嬉しいとは感じていました。あの頃は具体策ばかりを求めすぎていたので、楽しく遊べた瞬間があったから良かった!これが好き、これが好きじゃないを知れて良かった!など、もう少し肩の力を抜いて過ごせたら良かったのかなと思います。

発達教室の次のステップ

半年のプログラムでしたし、このまま通うだけでは変わらないと思い、保健師さんに次のステップには何があるかを聞きました。そこから発達検査に進みました。

「療育」という言葉を教えてくれたのは、この教室ではなく、姉からでした。それから自分で調べて療育と診断まで進んでいます。

いまの制度ではー調べて分かったことと、分からなかったこと

この記事を書くにあたって、いまの制度を調べました。

この教室は、何にあたるのか

1歳半健診そのものは母子保健法第12条で市町村に義務づけられています。健診のあとの「事後指導」も、同法第9条の2・第10条と、国の通知(平成10年児発第285号)に根拠があります。

その通知には、経過観察などが必要とされた子について「適切な事後指導を行う」「事後指導を受けるよう勧奨する」と書かれています。

ただ、わが家が通ったような「月1回・親子で通う教室」そのものを定めた国の要綱は、見つけられませんでした。市町村がそれぞれのやり方で行っている事業だと思われます。

なので、呼び名も、回数も、中身も、自治体によって違います。(健診と事後指導の根拠になっている母子保健法と平成10年 児発第285号の原文は、厚生労働省のサイトで読めます)

期間・費用等は各自治体ごとの運用です

当時の記録に、私はこう書いていました。

現在は申込者が多いからか、半年間だけ通えるという決まりになっているようです

今回あらためて調べたところ、こうした教室の利用期間を国が一律に定めた規定は見当たりませんでした。期間があるかどうかも、その長さも、自治体ごとの運用のようです。

費用についても、健診そのものは無料ですが、教室の費用を無料と定めた根拠は確認できませんでした。お住まいの市区町村でご確認ください。

窓口は一本化される方向にあります

大きく変わったのはここです。2024年4月から、母子保健(健診)と児童福祉(障害児支援などにつなぐ窓口)を一つにした「こども家庭センター」の設置が、市区町村の努力義務になりました。(根拠:こども家庭庁「令和4年6月に成立した改正児童福祉法について」)

わが家のころは、健診の窓口と障害福祉の窓口が別々でした。「療育」という言葉が健診側から出てこなかったことと、無関係ではないと思っています。いまは同じ窓口が両方を扱う自治体が増えています(ただし努力義務なので、すべての市区町村で統合されているわけではありません)。

※制度の話は2026年9月時点で調べたものです。教室の名前・回数・期間・費用は自治体によって違うので、実際のところはお住まいの市区町村でご確認ください。(参考:こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」)

これから通う方へ

同じ様に悩みながら過ごしている方に伝えられるとしたら、この4つです。

  1. とにかく聞いてみる——紹介されないことも多いと思います。何か制度や通える場所はないか聞いてみて下さい
  2. 早めの行動を(待ち時間を見込んでおく)——恐らく「待ち」が発生します。迷っているうちに、さらに遅くなるので早めの行動を。
  3. 「物足りない」と感じても、「無意味」ではない——解決を求めるだけでなく、そこで得られるものに目を向けてみてください。なにかしらあるはずです。
  4. やってみて、継続して、そして諦めてもいい——まずはやってみることが一番大事です。そして続けてみることも。でもそれがきつくなったらやめてもいいと思うんです。(今これを試す時期ではなかったとか、これはうまくいかないということが分かった。と区切りをつけてもいいと思います)

輪に入れない息子を見ながら過ごした半年でした。期待しすぎた分、焦ってばかりで、私の気持ちは不安定なままでした。

それでも、通い続けられたのは、少しの期待と共に子どもが笑顔になる瞬間を見ることも出来たからです。「次のステップ」に繋がりました。答えをもらえた場所ではなくとも、次に進むための入口になりました。

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