その言葉に、まだ心配しすぎなくていいのかなという気持ちと、もやもやした気持ちになったことを思い出します。
この健診の1年後に自閉症スペクトラムの診断が出るのですが、この記事では、当時の記録を元に健診の詳細を書いています。あわせて、いまの1歳半健診についても調べました。
この記事に書いてあること
- 【当時・わが家の1日】健診当日の様子
- 出来ないことが多く、受診自体もやっとのことでしたが、様子見で終わりそうになったこと
- 必死に話して、やっと心理士相談 → さらに食い下がって発達支援教室へ(参加は2ヶ月待ち)
- 【いま・2026年9月時点】発達の確認の目安(積み木2個・指さし・ことば3語)
- 国は「様子を見ましょう」で終わらせないよう求めている。一方で健診後のフォローは自治体差が大きいこと
- こども家庭庁の発足、5歳児健診の広がり、M-CHATの導入状況
※体験の部分は、わが家が当時住んでいた自治体での話です。
制度の部分は2026年9月時点で調べたものです。健診の流れも相談の仕組みも、自治体によって違います。
健診前ー指さしの練習をしていました
1歳半健診が近づき、指さしのチェックがあると聞いた私は、少し前から練習を始めていました。
お風呂に「あいうえおポスター」を貼って、「ミカンはどれ?」と聞いてみたり、絵を指さしながら「リンゴだね〜」と声をかけたり、10ヶ月から始めていたこどもちゃれんじの本でも、同じように質問と声かけを繰り返していたりしました。
あの頃は検診で「引っかかる」ことを恐れていたというよりかは、その月齢で出来ているはずという項目は出来るようになって欲しいという気持ちだったと思います。
そして、健診で相談したいことが多くて待ち遠しいのと同時に、安心材料を増やしたい気持ちもあったのだと思います。
検診当日ー受付から前途多難なスタート
早朝、寝ているそうちゃんに尿とりパッドを装着し、検尿をとることが出来たのに、忘れてしまい、前途多難な始まりでした。
受付に向かうも、そうちゃんはすでに警戒してなかなか進んでくれません。新しいパッドを頂き、大暴れの中再び着けて、帰るまでにギリギリ検査できる量の尿が採れたのでした。
待合室でのことー他の子との違い
待合室に入って、まず言葉を失いました。
部屋の真ん中に絵本がたくさん置いてあり、その周りで一人で本を読む子、ママの膝の上で一緒に本を読む子、本は読まなくてもママのそばで過ごす子たちがいました。そして私の見る限りおしゃべりのできない子は、一人もいなさそうでした。
そうちゃんはというと——もちろん本には見向きもしません。
そして、部屋に誰かが入ってくるたびに開いたドアへ突進し、出ていこうとするかドアの開け閉めを始める。その繰り返しでした。それを止め続け、周りの目も気になり、検診が始まる前から私はいろんな意味で疲れきっていました。
身体測定・歯科・内科ー大暴れの連続
身長体重は服を脱がすだけでも大暴れ、歯科健診は診察はもちろんのことフッ素塗布もあり、もちろん大暴れ、内科検診も大暴れ、すべて暴れるのを押さえながら、なんとか終えました。
内科健診では、眼球の色素(白目に青みがかった沈着)が引っかかったものの、後日眼科を受診して問題なし。
栄養士さんにおやつの量と軟便のことを相談し、
「おやつは小分けにして満足感を出す」「ヨーグルトを一度やめてみては」というアドバイスをもらいました。
(このアドバイスを試しても変化はなく、軟便は結局4年ほど続きました。5歳を過ぎたある日、突然おさまります)
この日の歯科健診で虫歯はなかったのですが、歯科医師に「ジュースや飴などは食べますか?」と聞かれ、「この子は偏食なので、まったく食べません」と答えると、こう言われました。
「それはいい。この子は虫歯には絶対に気をつけた方がいいよ。」
初めて、偏食で良かったと思いました。本当にそうだと思います。ただ、口の中を見せるだけでもこの状態なのに虫歯治療なんてとてもじゃないけど出来ません。虫歯にはより一層気をつけないとと思いました。
この頃虫歯になったらどうしようということすら心配していましたが、後に一度だけ虫歯治療をすることになります。ちゃんと出来ました。いずれ記事にするかもしれません。
発達テスト?の結果ー積み木3個、指さしはほぼできず
保健師さんとの面談の前に、いくつかのテストがありました。
- 積み木——おそらく目標4個のところ、3個積み上げることができました
- 指さし——「わんわんどれ?」という問いかけに奇跡的に犬を指した(触った?)ので、「いつもは全くしません」とは伝えました。それ以外の「車(ブーブー)はどれ?」には見向きもせず、他のテーブルの積み木を集めて遊び始めたり、書類や絵のボードをテーブルの後ろに落とすという遊びを始めてしまいました
当時の基準は分かりませんが、現在国が示している目安は積み木2個で、指さしは「わんわんはどれ?」のように聞かれて答えられるか、ことばは意味のある言葉が3つ以上あるか、らしいです。
(こども家庭庁の乳幼児健康診査マニュアル・2026年9月時点)
とにかく動き回るので、保健師さんが紙を渡してくださり、そこに落書きを始めたことで少し落ち着き、やっと話ができるようになりました。
保健師さん、心理士さんとの面談ー様子見で何度も終わりそうになりました
保健師さんとの面談
事前の問診票に「子育てに困難を感じますか?」という項目があり、私は〇をつけていました。それについては、周りに助けてもらえるかどうかを簡単に聞かれただけでした。
今日の検診全般でも、これだけできていないのに、「もう少し様子を見ましょう」という感じで終わりそうになったので、私は日頃抱えてきた悩みを一気に話しました。
- 偏食——白ご飯など限られたものしか食べない。水か麦茶しか飲まない。同じ白ご飯でも、お子様ランチのように盛り方が違うと食べない
- 嫌なことがあると、頭を床に打ち付けるか、物を投げる
- 引き戸を開けたり閉めたりし続ける
- 自動ドアとエレベーターに執着する
- 喃語も出ない
- 目が合いにくい
- 寝るのに時間がかかる
- バイバイの手が自分のほうを向く(逆さバイバイ)
- 名前を呼んでも、声をかけてもしらんぷり
- できていたことが、消えていった——8ヶ月ごろのイヤイヤも、10ヶ月ごろのパチパチなど。
- 何時間外で遊んでも、家に帰るのは毎回大暴れ。忘れ物など取りに戻ろうとすると、帰ると思ってなおさら暴れる
そこまで話して、やっと言われました。
「心理士が来ているので、相談されますか?」
もちろん相談することにしました。私が遠慮したら、そこで終わっていたと思います。
心理士さんとの面談
なんとか繋がった次のステップですが、心理士さんとの話も、ふわっとした感じで終わりそうになりました。内容が全く思い出せない程です。また「様子を見ましょう」という感じになってきたので、必死に何かないか聞いてやっとこう言われました。
「発達支援の教室が月に1回ありますが、参加されますか?」
そして、発達支援教室をその場で申し込み、2ヶ月後から通えることになりました。
やっと次に繋がった気がしました。
「様子見」と「〜してみますか?」の連続ー親が動かないと進まない
「もう少し様子を見てみましょう」や「〜してみますか?」という言葉はいろいろな場面で耳にしました。
「様子を見る」というのはよく使われますが、投げたボールが戻ってきた感じで、
その後親が動かなければ何も進まないので、ある意味放っておかれているのと同じような気持ちになります。
そして、「〜してみますか?」と言われると、なんとなくこちらがどうしてもという場合だけ?と捉えてしまいます。ただでさえ次のステップはこちらが一生懸命聞かないと出てこなかったわけですし。
もちろん決めるのは親です。でも、初めての子育てで何もわからないことだらけで、ただ悩み続けるだけの状態のお母さんは多いと思うので、もう少し積極的な働きかけがあってもいいのではないかなと思います。
少なくとも「こんな制度がある」と先回って教えてもらったことはありませんでした。こんな進み方だったので、私が療育にたどり着くのも、診断にたどり着くのも、とても時間がかかりました。
現在では、国のマニュアル(こども家庭庁「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」2026年9月時点)にこう書かれています。
単に「様子を見ましょう」というあいまいな指示で終わることは避けるべきである(中略)いつまで様子を見るのか、その後はどこに相談したり受診すればよいかなどの情報提供を行うことがとても重要
あの時の私の気持ちが救われるような一文です。私のような気持ちを抱えた多くのお母さんが声をあげた結果がここにあるのではないかと思いました。
健診で最も心が折れたこと
それは、同じ月齢の子どもたちの姿を目の当たりにして、あまりの違いにショックを受けると同時に、このとき初めて「同年齢の集まりに参加することの怖さ」を知ったことです。
1歳で言葉が出ないことが気になり、「1歳半までには『ママ』ぐらいは言えるようになるはず」と思っていました。でも全く出ませんでしたし、それどころか困った行動がどんどん増えていく毎日でした。
それでも、成長には個人差があるということや、男の子は言葉に関して女の子よりも遅かったりするという説で自分の心を保ちながら過ごして来ましたが、同月齢が集まると現実を目の当たりにしてしまいます。
健診に疲れ、心も折れたものの、発達支援教室という次の道が開けました。帰り道、お散歩で見つけた四つ葉のクローバーに願いをこめて、母子手帳の1歳半健診のページに挟みました。
現在の制度についてー5歳児健診が国の補助の対象に
わが家が健診を受けたのは、もう10年以上前のことです。
1歳6か月児健診は母子保健法という法律で市町村に実施が義務づけられている健診で、費用はかかりません。ここは当時と同じです。
変わったこととしては、2023年4月にこども家庭庁ができて、母子保健の窓口が一本化されました。健診のマニュアルも、いまはこちらが出しています。
2024年度からは5歳児健診が国の補助の対象になりました。1歳半では気づかれず、就学まで分からない子がいる——という課題に向き合うためのものです。ただし実施しているのは2024年時点で168の自治体にとどまっていて、まだ全国に行きわたってはいません。
自閉症のスクリーニング(M-CHATという、保護者が記入する質問紙)を1歳半健診に取り入れる自治体も増えています。これも全国一律ではなく、自治体ごとの判断です。
※制度の話は2026年9月時点で調べたものです。健診の中身もフォローの仕組みも自治体によって違うので、実際のところはお住まいの市区町村でご確認ください。
「様子見」と言われたらー確認しておきたい3つのこと
あの日の経験から、お伝えできることをまとめます。
- 気になることは、その場で全部話す——問診票に〇をつけるだけでは流れてしまうことがあります。口に出して、具体的に伝えてください。お住まいの保健センターに直接聞いてみるのも良いと思います
- 「〜してみますか?」には遠慮せずに「はい」と答える——迷ったら参加してみて、合わなければやめればいい。断ると、そこで話は終わりますし、待ちが発生することが多いと思います。早めに申し込んだ方がいいです。
- 次のステップを自分から聞く——「この次に受けられるものは何がありますか?」「通える場所などありますか」と聞いてみてください。待っていても案内は来ないことがあります
この日から診断が出るまでには、約1年かかりました。一つ一つあの時必死に動いてきたから次の道が開けました。
その間のことは【総集編】自閉症と診断されるまでにまとめています。

コメント